横浜国立大学 理工学部 機械・材料・海洋系学科

教育方針

材料工学教育プログラムのアドミッションポリシー

材料工学は、物理や化学の基礎科学を応用してものづくりを達成するための工学分野です。金属、セラミックス、半導体とその周辺材料を対象に、材料についての基本的・体系的な教育を実施し、機能・構造材料の開発・設計に寄与する材料技術者や研究者を養成します。特に、以下のような人を育てたいと願っています。

  • 物理や化学に基づいた、材料の様々な性質を生み出す仕組みを解明できる人
  • 材料工学に強い関心を持ち、新材料や新規機器の開発分野で活躍できる人

学習教育目標

(1) 育成人材像
社会に関する広い教養と高い倫理観を持ち, 工学全般の基礎的知識と材料に関わる専門知識とを備え, 工学の他分野の研究と技術を積極的に取り入れて独創的な技術開発と科学を開拓する高度専門技術者や研究者のリーダーとして将来活躍できる人材の育成を目的とする。具体的には, 物理および化学の基礎に立脚して, 様々な材料の構造・組織や機能・特性をnm からmm スケールで連続的に捉えて現象を理解する能力を育成し, 機械構造物や電子情報機器などにおける各種機能を担う機能・構造材料の開発・設計に寄与する、下記四分野を修得した人材を輩出する。機器の機能を複合的かつバランスして設計するために, 材料の内部構造, 表面および界面の特性, それらの評価・解析技術に関わる専門能力に基づき, 知識の総合化を行ってものづくりに貢献する材料技術者あるいは研究者である。

第1分野(連続体力学と加工)
・ 外力を受けたマクロな固体材料の強度と変形を理解する。
・ 材料のマクロな塑性変形を支配する法則を理解する。
・ 材料のマクロな塑性変形を利用した加工技術を理解し, 加工技術を開発するための基
本的な素養を身に付ける。
第2分野(ミクロ組織と力学特性)
・ 材料のミクロな成り立ち(組織)とそれを支配する基本的な法則を理解する。
・ 材料の強さ(塑性変形に関する部分)を生み出す基本的な仕組みを理解する。
・ 材料の強さと組織の関係を理解し, 材料の開発ならびに適切な材料選択ができるため
の基本的な素養を身に付ける。
第3分野(ナノ構造と機能)
・ 材料の原子・ナノスケールでの構造と物性を支配する基本的な法則を理解する。
・ 材料内部での電子の働きとそれが生み出す機能の基本的な仕組みを理解する。
・ 材料の量子力学的効果について理解し, マクロな特性と結びつける基本的な素養を身
に付ける。
第4分野(物理化学と環境性能)
・ 材料の熱力学や物理的および化学的反応に基づくプロセスの基本的な法則を理解す
る。
・ 材料の状態および反応とそれらを評価・解析する基本的な仕組みを理解する。
・ 材料およびプロセスに環境性能を付与するための基本的な素養を身に付ける。

また,材料工学教育プログラムの学習・教育目標は以下の通りである。

(A) 真に人類・社会に貢献できる人格を養成する。
[A1] 広い学問領域に触れることによって,人類の幸福・福祉に貢献できる能力
[A2] 外国語や教養科目の履修を通じて異なる文化を理解し,多面的に物事を考える能力
(B) 社会における工学の役割を正しく理解する能力を養成する。
[B1] 科学技術が自然現象や人間社会とどのように関わっているかを理解できる能力
[B2] 自立した技術者として責任をもって行動できる能力
(C) 幅広い専門分野に対応できる工学の基礎的能力を養成する。
[C1] 数学や物理学などの自然科学と情報技術の知識を修得し,これらを応用できる能力
[C2] 工学基礎および材料工学の基礎知識を修得し,これらを応用できる能力
(D) 社会での実践を志向して専門の工学的能力を養成する。
[D1] 材料工学の基盤となる専門知識を修得し,これらを応用・展開する能力と,将来自主的かつ継続的に学習できる能力
[D2] 工学的考え方を利用して問題解決に応用できる解析・設計・コミュニケーションの能力
[D3] いかなる環境の下でも周到な計画に基づいて問題解決に取り組み,まとめる能力

なお,これらの学習・教育目標は、以下の(a)から(h)に示す日本技術者教育認定機構(JABEE)が定めた技術者が定めた認定基準と、次表のように対応している。

(a) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
(b) 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果,および技術者が社会に対して負っている責任に
関する理解(技術者倫理)
(c) 数学,自然科学および情報技術に関する知識とそれらを応用できる能力
(d) 材料および材料関連分野の専門技術に関する知識とそれらを問題解決に応用できる能力
(1) 材料の構造・性質に関する基本の理解
(2) 材料のプロセスに関する基本の理解
(3) 材料の機能および設計・利用に関する基本の理解
(4) 実験の計画・実行およびデータ解析の能力
(e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
(f) 日本語による論理的な記述力,口頭発表能力,討議等のコミュニケーション能力および国際的に通用するコミュニケーション基礎能力
(g) 自主的,継続的に学習できる能力
(h) 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め,まとめる能力

(2) 教育の流れ
材料工学教育プログラムでは, 3 年次秋学期まで, 全員に対して同一の教育を行う。即ち, 教養科目, 健康・スポーツ科目, および外国語科目についての全学的教育と, 材料工学に関する基礎学力を養成する為の教育を実施する。4 年次には各教員の研究室に配属され, 卒業研究のみを一年間取り組む。卒業研究は, それまでの受動的な教育から能動的な研究へ移行するための準備期間であり, 卒業後, 企業あるいは大学院における技術者・研究者としての自覚と素養が育成される。

機械工学・材料系学科の成り立ち

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