新入生の皆さん、はじめまして。材料EPの大竹です。新入生歓迎会で皆さんと親睦を深めることを楽しみにしておりましたが、延期せざるを得ない状況で大変残念に思っています。皆さんにとっては、これから大学生活で、新しい気持ちでやってみたいことがあったと思います。今は、ぐっと我慢ですが、これから出来る、楽しみをとっておくという気持ちでいてくださいね。自分の気持ち次第で、新しいことはいつからでもスタートできます。私は、大学生になったときは、髪の毛を染めたぐらいでした・・・。大学院生になったときは、お出かけ好きになりました。たくさん、国内外を旅しました。今は、外出自粛中ですが、家でも何か新しいことが出来ないかと思っています。

やってみたいことも重要ですが、皆さん、せっかく横国の材料EPに入学されたのに、はじめから自宅待機で、材料に関して何を勉強していけばいいいか分からないのではないかと心配していました。そのような中、中尾先生から、コラムの機会を頂きました。私も僅かでも皆さんの今後の役に立てばと思っています。

今回のテーマは、「電気・電子・情報分野の材料 ~Society 5.0の半歩先の未来とそれを支える技術~」です。皆さん、Society 5.0(ソサイエティー・ゴー・テン・ゼロ)ってご存知ですか?これは、遠い未来のことではなく、私たちの目の前まで来ています。Society 5.0は、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、5番目の新しい社会「超スマート社会」のことを指します。Society 4.0までの社会では、知識や情報は共有されず、分野横断的な連携が不十分でした。一方、Society 5.0の超スマート社会では、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノが繋がり、それらの情報がビックデータとして蓄積され、人工知能(AI)が情報解析を行うことにより新たな価値が創出されます。昨年までは、内閣府のホームページで、5分程度の上白石萌音さんを起用したSociety 5.0の分かりやすい動画が公開されていました。現在も、文章では、https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/ などに詳細な説明が掲載されています。また、Society 5.0の技術は、SDGs(エス・ディー・ジーズ,持続可能な開発目標)を達成するためにも必要なものとなってきます。経団連のホームページやYoutubeでも紹介されています。

このコラムからの課題

この超スマート社会を実現するためには、それを支える電気・電子・情報関連の様々なデバイスが必要となってきます。そして、その実現の鍵を握るのは材料です。材料の皆さんの力が必要となってきます。私が担当する材料学入門の第8回の講義でも、以下のような課題を出しますので、ぜひ、時間のある方は、調べて、考えてみてください。
課題①:まず、Society 5.0、IoT、AI、ビックデータ、SDGsという言葉を調べてみよう。
課題②:次に、Society 5.0の超スマート社会を想像してみよう。交通、医療・介護、ものづくり、農業、食品、防災、エネルギーの分野の一部もしくは全てにおいて、どのようなIoTのデバイスがあれば、どのようなスマートな機能を実現できるか考えてみよう(多数のIoTデバイスを用いてひとつの機能を実現することもOKです)。
課題③:そして、課題②で挙げたIoTデバイスは、どのような機能材料を用いれば実現できるか、分かる範囲で調べてみよう(具体的な材料名や物理現象が分からなくても、こういうことを調べられる材料があれば実現できるというような内容でもOKです)。